インプラント治療は、失った歯を補うために非常に効果的な治療法ですが、稀にインプラントがぐらつくといった問題が発生することがあります。この状態を放置すると、インプラントの安定性に影響が及び、最終的にはインプラントを失ってしまう場合もあります。そこで今回は、インプラントがぐらつく原因や予防するためのポイント、ぐらついた時の注意点、対処法を詳しく解説します。
1. インプラントがぐらつく原因
インプラントがぐらつく原因は、いくつかの要因が考えられます。
①インプラント周囲炎
歯磨きの磨き残しを長期間放置することなどによって、インプラント周囲の歯茎や骨が炎症を起こし、骨の量が減少し、ぐらつきを引き起こすことがあります。
歯周病と似た症状を示すことが多く、定期的な歯科検診やメインテナンスが欠かせません。
➁インプラントのネジの緩み
インプラント自体は強固に固定されていますが、人工歯を固定するためのネジが緩むことで安定性が低下し、ぐらつきを感じることがあります。
この場合、すぐに歯科医院で調整を受けることが必要です。ネジの締め直しであれば簡単な処置ですが、ネジが折れてしまうと、回復が困難になります。
➂インプラントへの過度な負荷
歯ぎしりや食いしばりなど、強い力が特定のインプラントに集中すると、その部分に負担がかかり、インプラント周囲炎が進行したり、ネジが緩んだりする原因となることがあります。適切な噛み合わせの調整が重要です。
これらを重症化させないよう、インプラントのぐらつきは、早期発見・治療が非常に重要です。初期の段階で問題を見つけることができれば、治療で改善できるケースが多いです。定期的なメインテナンスで専門家に診てもらうことが大切です。また、ご自宅でこれらの異常を感じたら、早めに歯科医院で診察を受けましょう。
2. インプラントがぐらつかないための予防法
インプラントがぐらつくのを予防するためには、日常的なケアが非常に重要です。以下のポイントを意識してセルフケアを行いましょう。
①正しい口腔ケア
インプラント周囲を清潔に保つことが、インプラント周囲炎の予防につながります。柔らかめの歯ブラシでインプラントと歯茎の境目を優しくブラッシングしましょう。
➁定期的なメインテナンス
定期的なメインテナンスは、インプラントを良好に維持するために重要です。歯科医師による専門的なチェックを受けることで、早期に問題を発見して対処することができます。また歯科衛生士から専門的なクリーニングを受けることで、歯周炎と同様にインプラント周囲炎のリスクを低減できます。
➂噛み合わせの調整
噛み合わせが適切でないと、インプラントに余計な負荷がかかりやすくなります。定期的なメインテナンスで噛み合わせの状態をチェックし、必要に応じて調整してもらいましょう。
④健康的な生活習慣
喫煙はインプラント周囲炎のリスクを高めるため、禁煙することが望ましいです。また、食事の際にはあまり硬いものを無理に噛まないように注意することも大切です。
3. インプラントがぐらついた時にしてはいけないこと
インプラントがぐらついていることに気づいた場合、適切な対処を行うことが重要です。以下の行動は控えましょう。
①自分で戻そうとする
ぐらついたインプラントを自分で触ったり、戻そうとして無理に押し込んだりしないことです。ぐらつきを感じた際に、自分で何とかしようと力を加えると、周囲の組織や骨にさらなるダメージを与えてしまう可能性があります。
特に、ネジの緩みやインプラント周囲炎が原因でぐらついている場合、力を加えることで炎症が悪化したり、骨やネジが損傷してしまうことがあります。触れずに、すぐに歯科医院へ連絡しましょう。
➁硬い食べ物を噛む
ぐらつきを感じた場合は、硬い食べ物を避けることが大切です。負荷がかかることで、インプラント周囲のダメージが進行する恐れがあります。
➂放置する
インプラントがぐらついたとき、すぐに痛みがなかったり、ぐらつきが軽度だったりする場合、そのまま放置してしまうことも考えられます。しかし、ぐらつきは放っておくと問題が深刻化する可能性があり、最終的にはインプラントの除去や再手術が必要になることもあります。
インプラントがぐらついた際には、自己判断での対応を避け、歯科医院での診察を受けることで、長期的に健康な口腔状態を維持することができます。
4. インプラントがぐらついた時の対処法
インプラントがぐらついた際の対処は、原因によって異なります。以下は主な対処方法です。
①インプラント周囲炎の治療
もし周囲の歯茎に炎症が見られる場合、歯科医院でクリーニングや抗生物質の処方が行われます。早期に治療を行うことで、炎症の進行を抑えることが可能です。
➁ネジの緩みの調整
ぐらつきの原因がインプラントのネジの緩みである場合、歯科医院での再調整が必要です。歯科医師がスクリューを再固定することで問題が解決します。
➂噛み合わせの調整
噛み合わせの問題が原因でインプラントがぐらつく場合、調整を行い適切な噛み合わせにすることで安定性を取り戻せることがあります。
インプラントがぐらつく原因はさまざまですが、早期に発見し、適切な対応を取ることで大きな問題を防ぐことができます。ぐらつきを感じた場合には自己判断せず、必ず歯科医師に相談することが重要です。最も大切なことは日常的なセルフケアと定期的なメインテナンスを欠かさず行うことです。インプラントの健康を長期間にわたって保つように心がけましょう。
新潟市でインプラント治療に関する疑問がある方、インプラント治療を検討中の方はぜひ新潟市の歯医者 大通り歯科 へご相談ください。
監修:大通り歯科
院長 渡部 平馬
略歴
平成21年3月新潟大学歯学部 卒業
平成22年3月新潟大学医歯学総合病院臨床研修 修了
平成22年4月新潟県上越市きたしろ歯科診療所 勤務
平成26年3月新潟大学医歯学総合研究科博士課程 修了
平成26年3月新潟大学医歯学総合研究科博士課程 修了
平成27年大通り歯科 開院
平成28年T&Eインプラントコース 修了
平成29年Dr.弘岡 歯周病学コース 修了
平成30年YDO 歯内療法学コース 修了
令和2年PHIJ ベーシックコース 修了
令和3年筒井塾 咬合療法コース 修了
令和4年筒井塾 矯正ベーシックコース 修了
令和5年Myobrace system 導入
姿勢マスター講座 修了
令和6年DABSベーシックコース 修了
DABS小児矯正コース 修了
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