インプラント

インプラント治療の要『アバットメント』とは?基本と役割をわかりやすく解説

インプラント治療を検討している方にとって、「アバットメント」という言葉を聞いたことはあっても、それが何を指し、どのような役割を担っているのかは意外と知られていないかもしれません。アバットメントは、人工歯とインプラント体をつなぐ“橋渡し役”であり、治療の一環として重要な役割を担っています。その素材や形状によって、見た目の自然さや清掃のしやすさ、耐久性などに影響を与えることもあります。
今回は、アバットメントの基本的な役割や種類、素材ごとの特徴、さらには費用や選び方のポイントについてわかりやすく解説します。
 

1. インプラント治療におけるアバットメントの役割

アバットメントとは、インプラント治療においてインプラント本体(人工歯根)と上部構造(被せ物)をつなぐ中間パーツです。インプラントはあごの骨に人工歯根を埋め込むところから始まりますが、この人工歯根の上に直接かぶせ物を乗せることはできません。そこで必要になるのがアバットメントです。
 
<アバットメントの主な役割>

①人工歯の土台となる

インプラント体と人工歯の接続部分として、しっかりと安定した土台をつくる役割があります。

➁かみ合わせや見た目の調整

アバットメントの形状や角度を調整することで、かみ合わせを整えたり、周囲の歯との調和を図る設計が可能です。

➂清掃性を高める

歯ぐきとの境界部分を適切な形状に整えることで、日々の歯みがきがしやすくなり、インプラント周囲の衛生管理がしやすくなります。

➃歯ぐきとの調和を保つ

適切なアバットメントを選ぶことで、歯ぐきとの境界が目立ちにくくなるよう配慮された設計も可能です。

➄耐久性の確保

噛む力に配慮した素材や形状を選ぶことで、適切な使用環境においては安定性が期待できます。

アバットメントは、インプラント治療を支える重要なパーツのひとつです。その役割を把握しておくことで、治療の流れや目的がより明確になるでしょう。
 
 

2. インプラントのアバットメントの種類と特徴​​

アバットメントには複数の種類があり、使用される素材によって特性が異なります。素材の選択は、仕上がりの見た目や耐久性、日常のケアのしやすさにも影響するため、歯科医師と相談しながら選ぶことが重要です。代表的な素材と特徴は以下のとおりです。
 
・材料による違い

①チタン製アバットメント

多く使用されている素材で、骨と結合しやすく、強度や耐久性のバランスに配慮されています。金属アレルギーのリスクが低い点も特徴です。ただし、金属色が透けることで歯ぐきの色味に影響することがあります。

➁ジルコニア製アバットメント

白く透明感があるため、審美性を重視する前歯部などで使用されることが多い素材です。金属を含まないため、金属アレルギーの懸念が軽減されますが、衝撃にはやや注意が必要です。
 
・形態による違い

①カスタムアバットメント

既製品ではなく、個々の口腔内に合わせて製作されます。フィット感の向上により、清掃のしやすさや見た目への配慮がなされる場合もありますが、費用は高めです。

②既製アバットメント

規格化された形状の製品で、コストを抑えやすい反面、個々の形態に合わせた調整が必要になる場合があります。
 
素材は部位や歯ぐきの状態、体質に応じて適切に選択されます。素材や形態ごとに異なる特徴があるため、治療の目的や部位に応じて適切に選ぶことが大切です。
 
 

3. アバットメントの種類による費用差と選び方のポイント

アバットメントの選択は、機能面や見た目だけでなく、治療費にも影響します。素材や形状により価格が異なるため、予算とのバランスも考慮が必要です。ここでは、費用の目安と選ぶ際のポイントをご紹介します。
 
<既製品とカスタムの費用差>
既製のチタンアバットメントは比較的価格を抑えられ、標準的な症例に使用されます。審美性の高いジルコニアアバットメントや、カスタムアバットメントは個々に合わせて作製され、フィット感が高い反面、費用は1.5〜2倍程度になる場合があります。
 
<費用差が生じる要因>

➀素材による違い

チタン製は強度と価格のバランスがとれているとされ、多くの症例で用いられています。ジルコニア製は白く自然な色調を持つため、審美面を重視する前歯部に選ばれることが多く、費用は高めです。ハイブリッドタイプは中間~高価格帯に位置します。

➁保険適用の可否

インプラント治療は原則自由診療のため、アバットメント費用も自己負担となります。ただし、医療費控除の対象になることもあります。

➂メンテナンス費用の考慮

素材や使用状況によっては、将来的に修理や交換が必要になることもあり、長期的な費用も視野に入れることが大切です。
 
選ぶ際のポイント
・前歯:見た目を重視しジルコニアなどを選択
・奥歯:噛む力に配慮しチタンなどを検討
・歯ぐきの状態や予算も要検討材料
 
素材や形状の選択は、治療の満足度にも関わります。ご自身の希望に応じて、歯科医師とよく相談して選びましょう。
 
 

4. 新潟市南区の歯医者 大通り歯科のインプラント治療

新潟市南区の歯医者 大通り歯科では、「一度入れたインプラントが生涯機能し続けられるように」というコンセプトのもと、患者様が安心してインプラント治療を受けられる環境づくりに努めています。

インプラント治療は「入れて終わり」ではありません。
大通り歯科では、患者様がインプラントを長く快適に使用できるよう、日常のセルフケアのアドバイスや定期的なメインテナンスを行っています。
また、インプラントを維持するだけでなく、口腔内全体の健康を保つお手伝いも大切にしています。
入れ歯でうまく噛めずに諦めていた方も、インプラントで再びおいしく食事を楽しむ喜びを取り戻していただけるようサポートします。

新潟市南区の歯医者 大通り歯科はインプラント治療を通じて、患者様の笑顔と健康を生涯にわたって守るお手伝いをさせていただきます。
入れ歯やブリッジ、インプラント治療で迷われている方、インプラントの不具合でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

 
 

まとめ

アバットメントは、インプラント治療を支える重要なパーツのひとつです。チタンやジルコニアなど、素材ごとに特性が異なり、部位や目的によって適した選択が求められます。費用にも幅があるため、歯科医師と選ぶことが大切です。
新潟市南区でインプラント治療をご検討の方は、新潟市の歯医者 大通り歯科までご相談ください。

 

監修:大通り歯科
院長 渡部 平馬
略歴
平成21年3月新潟大学歯学部 卒業
平成22年3月新潟大学医歯学総合病院臨床研修 修了
平成22年4月新潟県上越市きたしろ歯科診療所 勤務
平成26年3月新潟大学医歯学総合研究科博士課程 修了
平成26年3月新潟大学医歯学総合研究科博士課程 修了
平成27年大通り歯科 開院
平成28年T&Eインプラントコース 修了
平成29年Dr.弘岡 歯周病学コース 修了
平成30年YDO 歯内療法学コース 修了
令和2年PHIJ ベーシックコース 修了
令和3年筒井塾 咬合療法コース 修了
令和4年筒井塾 矯正ベーシックコース 修了
令和5年Myobrace system 導入
姿勢マスター講座 修了
令和6年DABSベーシックコース 修了
DABS小児矯正コース 修了

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。