インプラント

インプラント治療は何日かかる?治療方法と治療期間

歯を失った場合の治療方法の一つとして、インプラント治療があります。
インプラント治療は、見た目や機能面で天然の歯に近い状態を再現できるため、多くの方が希望される治療法です。
しかし、インプラント治療は一日で完了するものではありません。
今回は、インプラント治療に必要な期間や、手術方法、治療期間中の過ごし方、そして治療をスムーズに進めるための注意点について解説します。

1. インプラントの治療は何日かかる?

インプラント治療にかかる期間は、患者さんの口腔状態や治療の進め方によって異なりますが、一般的には数か月から1年程度を要します。
インプラント治療は、歯根の代わりとなる人工歯根(チタン)を顎の骨に埋め込み、顎の骨とインプラントが定着するまでの時間が必要なため、治療の期間が長くなります。
一般的に、1本のインプラントが骨としっかり結合して噛み合わせの力に耐えられるようになるには、下顎の骨は硬いので3ヶ月、上顎の骨は柔らかいので6ヶ月待った方が良いとされています。

当院では、初診でいらっしゃった患者さん全員に口腔内の検査を行い、セルフケアの指導、歯科衛生士による歯石取りなどの歯周基本治療を行った後、再度口腔内の状態を検査・評価して、むし歯の治療や噛み合わせを整えるための治療相談をしています。
治療相談の中で、噛み合わせを回復するためにインプラント治療を提案する場合があり、希望された患者さんには以下の流れで治療を進めています。

①インプラント検査・治療計画(1~2回の通院)

口腔内の状態や骨量を検査し、治療計画を立てます。

②手術前クリーニング(1回の通院)

手術の1週間前に口腔内を清潔な状態にします

③一次手術(手術日1日)

インプラント体(人工歯根)を顎の骨に埋め込む手術を行います。手術の直前にも口腔内外を清潔な状態にするためクリーニングを行います。また手術する診療室も床を含め全体を清拭し、埃などが飛散しない清潔な環境を作ります。
通常は歯茎に切開をしてインプラント体を埋め込み、蓋をして縫合し、インプラント体を歯茎で覆います。こうすることでインプラント体と骨が結合する期間で感染するリスクを最小限に抑えることができ、また不要な力が加わらないため安静に保てます。インプラント体と骨の結合がとても良好な場合は、歯茎に覆わずに露出させることもあります。その場合は二次手術を省略することができます。

④治癒期間(3~6カ月程度)

骨とインプラント体が結合するまでの期間です。この期間には個人差があります。一般的に下の顎で3ヶ月、上の顎で6ヶ月の期間を待ちます。骨の治りが悪い場合はより長い期間を待つこともあります。

➄二次手術(手術日1日)

歯茎で覆ってあるインプラント体を歯茎の上に露出させるため、歯茎を切開します。その後、アバットメントと呼ばれる部品を装着し、歯の土台を準備し型取りをします。現在は光学印象という機械で型取りをすることも多くあります。

⑥仮歯の装着

仮歯を装着し、実際に患者さんに食事などの日常生活で使用してもらい、使用感を試してもらいます。その後、歯の最終形態を決めていきます。

⑦補綴物(人工歯)の装着(1回の通院)

最終的な上部構造の材質を決定した後、長期間口腔内で機能させることのできる補綴物を装着します。

このように、一度の治療で終わるのではなく、治癒期間や複数回の通院が必要となるため、全体では数か月から1年ほどの期間が掛かります。
 
 

2. インプラント治療の手術方法

インプラント治療には、主に以下のような手術方法があります。それぞれの方法によって治療期間も異なります。

①二回法インプラント

一般的なインプラント治療は「二回法」と呼ばれる方法で行われます。
これは、先ほど説明した治療の流れになりますが、一次手術でインプラント体を埋入し、骨としっかり結合するまで3~6カ月の治癒期間を設けた後、二次手術でアバットメントを装着する手法です。
この方法は治癒期間が必要ですが、骨との結合を確認して進めていく一般的な流れで治療が進行します。

②一回法インプラント

一回法では、インプラント体とアバットメントを一度に装着するため、治癒期間が短縮されるのが特徴です。
二回法よりも治療期間を短縮できる反面、しっかりと安定させるための骨の量が十分に必要であり、適応できる症例が限られます。

③即時荷重インプラント

即時荷重インプラントは、インプラント体を埋入してからすぐに仮歯を装着する方法です。
手術直後から噛む機能を回復できるため、見た目が気になる方や忙しい方に適していると言えます。
しかし、骨の質やインプラント体の安定が求められるため、限られたケースでのみ適応されます。
 
 

3. インプラント治療中の歯が無い期間と過ごし方

インプラント治療の中で、手術後の治癒期間中は一時的に歯がない状態になることがあります。
この「歯が無い期間」をどのように過ごすかは、患者さんにとって重要なポイントとなるかもしれません。

歯がない期間は仮歯を装着することで、見た目を保ちながら治療を進めることが可能です。しかし、仮歯は仮の接着剤で人工歯を装着するため、脱離などのトラブルが少なくなく、短期間で見た目にあまり影響のない部分であれば仮歯が不要になることも多いです。

仮歯が外れる、痛みが強い、または感染の兆候が見られる場合は、すぐに歯科医師に相談することが大切です。
 
 

4. インプラント治療を長引かせないための注意

インプラント治療をスムーズに進め、治療期間を短縮するためにはいくつかのポイントを守ることが大切です。

①自宅での口腔ケアを徹底する

インプラント治療期間中は、口腔内の清潔を保つことが治療成功の必要条件です。
特に手術後は感染症のリスクがあるため、毎日のブラッシングとフロッシングを怠らず、歯科医師に指示された方法で丁寧にケアを行いましょう。
口腔内を清潔に保つことで、炎症や感染症を防ぐことができます。

➁過度な飲酒は避け、禁煙する

過度の飲酒や喫煙は、インプラントの定着を妨げる要因になります。
ニコチンやアルコールが歯茎や骨の血流を悪化させるため、骨との結合が遅れる可能性があるためです。
インプラント治療期間中は特に節酒や禁煙を心がけましょう。

➂定期的な通院を怠らない

インプラント治療が順調に進んでいるかを確認するため、定期的な通院は必要不可欠です。
歯科医師によるチェックやアフターケアを受けることで、治療の進行状況を確認し、問題があれば早期に対処できます。指示された通院スケジュールを守り、治療計画通りに進めることが重要です。

インプラント治療には一定の期間が必要ですが、歯科医師からの治療中の注意事項をしっかり守り、日常の口腔ケアを徹底することで、よりスムーズに進めることができます。

治療期間中の過ごし方や注意点を理解し、治療の成功に向けて取り組みましょう。

新潟市の歯医者 大通り歯科では、患者さんそれぞれに合ったインプラント治療計画をご提案し、治療がスムーズに進むようにサポートしています。新潟市南区でインプラント治療に関するご相談がある場合は、いつでもお気軽にお問い合わせください。

 

監修:大通り歯科
院長 渡部 平馬
略歴
平成21年3月新潟大学歯学部 卒業
平成22年3月新潟大学医歯学総合病院臨床研修 修了
平成22年4月新潟県上越市きたしろ歯科診療所 勤務
平成26年3月新潟大学医歯学総合研究科博士課程 修了
平成26年3月新潟大学医歯学総合研究科博士課程 修了
平成27年大通り歯科 開院
平成28年T&Eインプラントコース 修了
平成29年Dr.弘岡 歯周病学コース 修了
平成30年YDO 歯内療法学コース 修了
令和2年PHIJ ベーシックコース 修了
令和3年筒井塾 咬合療法コース 修了
令和4年筒井塾 矯正ベーシックコース 修了
令和5年Myobrace system 導入
姿勢マスター講座 修了
令和6年DABSベーシックコース 修了
DABS小児矯正コース 修了

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