インプラント治療を考えている方の中には、「歯を抜いた後、いつからインプラントを始められるの?」という疑問を持つ方も多いでしょう。抜歯後の治療開始時期は、口腔内の状態や治療計画によって異なります。また、インプラント治療では「仮歯」を使用する期間があり、その間の過ごし方にも注意が必要です。仮歯は、見た目や咀嚼機能を補うだけでなく、インプラントが定着するまでの重要な役割を担っています。
今回は、抜歯後のインプラント治療がいつから始まるのか、仮歯期間の過ごし方や注意点について詳しく解説します。
1. 抜歯後のインプラント治療はいつから始まる?
抜歯後にインプラント治療を開始するタイミングは、患者さんの口腔状態と、全体の治療計画により異なります。
大きく分けて、以下の3つの方法があります。
①即時埋入
抜歯直後にインプラントを埋入する方法です。
骨の状態が良好で、歯肉や周囲組織に大きな炎症がない場合に適用されることがあります。
この方法のメリットは治療期間が短縮できる点ですが、難易度が高く、骨の状態や術後感染のリスクを慎重に見極める必要があります。
②早期埋入
抜歯後4~8週の期間をおいてからインプラントを埋入する方法です。
この期間中に歯肉が落ち着くので、審美領域のインプラント治療において選択されることが多い方法です。まだ骨は完全に治癒していないため、高い技術が求められる術式です。
③遅延埋入
抜歯から3~6か月の期間を経てインプラント埋入治療を行う方法です。
骨がほぼ完全に治癒しており、最も安全にインプラントの埋入を行うことができます。
骨の量(幅と高さ)が不足している場合には、骨を作る手術である骨造成を先に行います。骨造成を行う場合は、骨が安定するまでに6か月の期間をおく必要があります。
治療開始のタイミングは、患者さんの骨の状態や全身の健康状態によって異なります。歯科医師と相談し、最適な方法を選びましょう。
2. インプラント治療における仮歯の役割と装着期間の目安
インプラント治療では、インプラントが定着するまでの期間に「仮歯」を装着することがあります。仮歯は、見た目や噛む機能を補うだけでなく、歯並びや発音を維持するためにも重要です。また最終補綴と同じ形態を付与するため、清掃性についても確認することができます。
<仮歯の役割>
①顔の見た目の美しさ(審美性)を確保する
前歯など目立つ部分のインプラント治療では、仮歯を装着することで自然な見た目を保ち、日常生活での心理的負担を軽減します。
②噛み合わせを維持し、周囲の歯の移動を防ぐ
歯は、隣の歯や噛み合う歯とバランスを取りながら並んでいます。そのため、歯が抜けた状態が長く続くと、周囲の歯が移動してしまい、噛み合わせが変化する可能性があります。仮歯を装着することで、周囲の歯の位置を維持し、噛み合わせのバランスを崩さないようにします。
③発音を安定させる
前歯や奥歯が欠損すると、発音に影響を及ぼすことがあります。特に「サ行」「タ行」など、舌の位置が関係する発音がしにくくなることがあります。発音が安定し、会話がスムーズにできるように仮歯を入れます。
④インプラント埋入部位への過度な負荷を防ぐ
インプラントが骨と結合するまでの期間(オッセオインテグレーション)に、過度な力が加わると、インプラントがうまく定着しない可能性があります。仮歯により必要以上の力がかからないよう調整し、インプラントが安定するのをサポートします。
<仮歯の装着期間>
仮歯の使用期間は、治療の進行状況によって異なりますが、一般的には1~3ヶ月になります。
仮歯は一時的なものですが、正しい使い方をしないとトラブルの原因になります。特に、噛む力をかけすぎるとインプラントが安定しにくくなるため、食事の際は注意が必要です。
3. インプラント治療の仮歯装着中に注意すること
仮歯装着中は、日常生活における注意点をしっかりと把握しておきましょう。
①食事への配慮
仮歯は天然歯ほどの耐久性がありません。そのため、硬い食べ物や粘着性の高い食品によって、破損することがあります。仮歯の間はこれらの食品は避ける必要があります。
②口腔ケアの徹底
仮歯装着中は、日常の口腔ケアを今まで以上に徹底することが大切です。
やわらかめの歯ブラシや歯間ブラシを使い、仮歯周辺を丁寧に清掃します。
仮歯装着中の注意点を守ることで、治療がスムーズに進み、最終的な仕上がりに大きく影響します。
ご自宅でのケアがインプラント治療の成功の鍵となることを忘れないようにしましょう。
4. 新潟市南区の歯医者 大通り歯科のインプラント治療
新潟市南区の歯医者 大通り歯科では、「一度入れたインプラントが生涯機能し続けられるように」というコンセプトのもと、患者さんが安心してインプラント治療を受けられる環境づくりに努めています。
インプラント治療は「入れて終わり」ではありません。
大通り歯科では、患者さんがインプラントを長く快適に使用できるよう、日常のセルフケアのアドバイスや定期的なメインテナンスを行っています。
また、インプラントを維持するだけでなく、口腔内全体の健康を保つお手伝いも大切にしています。
入れ歯でうまく噛めずに諦めていた方も、インプラントで再びおいしく食事を楽しむ喜びを取り戻していただけるようサポートします。
まとめ
抜歯後のインプラント治療の開始時期は、即時埋入・早期埋入・遅延埋入の3パターンに分かれます。患者さんの口腔環境や骨の状態によって、適切なタイミングが決まります。また、治療中の仮歯の期間には、食事や口腔ケアに注意しながら過ごすことが大切です。特に、インプラントが安定するまでの期間は無理な負荷をかけないよう気をつけましょう。
新潟市南区の歯医者 大通り歯科では、インプラント治療の進行に合わせて仮歯を行い、日々のケアについてもサポートを行っております。新潟市でインプラント治療、仮歯についての不安や疑問がある方は、新潟市南区の歯医者 大通り歯科にご相談ください。
監修:大通り歯科
院長 渡部 平馬
略歴
平成21年3月新潟大学歯学部 卒業
平成22年3月新潟大学医歯学総合病院臨床研修 修了
平成22年4月新潟県上越市きたしろ歯科診療所 勤務
平成26年3月新潟大学医歯学総合研究科博士課程 修了
平成26年3月新潟大学医歯学総合研究科博士課程 修了
平成27年大通り歯科 開院
平成28年T&Eインプラントコース 修了
平成29年Dr.弘岡 歯周病学コース 修了
平成30年YDO 歯内療法学コース 修了
令和2年PHIJ ベーシックコース 修了
令和3年筒井塾 咬合療法コース 修了
令和4年筒井塾 矯正ベーシックコース 修了
令和5年Myobrace system 導入
姿勢マスター講座 修了
令和6年DABSベーシックコース 修了
DABS小児矯正コース 修了
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