インプラント

前歯のインプラント治療は難しい?その理由や治療期間を解説

前歯のインプラント治療は、見た目や噛む機能を取り戻すために非常に効果的な治療方法です。
しかし、「前歯のインプラント治療は難しい」と言われていることから、治療に不安を抱える方も多いでしょう。
今回は、前歯のインプラント治療が難しい理由や治療期間、治療スケジュールについて詳しく解説します。

1. 前歯のインプラント治療が難しい理由とは

前歯のインプラント治療が難しいとされる理由を、以下に解説します。

➀骨の量が少ない場合が多い

前歯の骨は薄いことが多く、インプラントを支えるための十分な骨量が不足していることがあります。
骨の量が少ない場合、骨を補う治療が必要になることもあります。

➁見た目の仕上がりが重要

前歯は目に見える部分であるため、治療後の見た目が自然であることが求められます。
周りの歯に合わせて、歯の色や形、歯ぐきのラインを調整する必要があります。

➂噛む力を分散させる必要がある

前歯は奥歯よりも骨が薄いため、インプラントにかかる力を適切に分散させることが重要です。
不適切な力が加わると、インプラントが破損する原因となることがあります。

➃治療計画の精密さが求められる

インプラントを埋め込む位置が少しでもずれると、見た目や機能に影響が出るため、精密な治療計画が必要です。
 

2. 治療期間はどれくらい?前歯のインプラント治療のスケジュール

前歯のインプラント治療の一般的な流れを以下に解説します。

➀初診と治療計画の立案(約1~2週間)

まず、歯科医師による診察やレントゲン、CT撮影を行い、骨や周囲の歯ぐきの健康状態を確認します。その後、患者さんと相談しながら最適な治療計画を立てます。

➁抜歯後の治癒期間(約6ヵ月)

治療前に抜歯が必要な場合は、抜歯後の骨や歯茎の治癒を待つ期間が必要です。この期間中は仮歯を使用することが一般的です。一方で、見た目を維持するためには歯ぐきや骨の形を適切に維持するため、抜歯窩(抜歯した穴)の治癒を待たずに埋入を行う場合もあります。周辺の骨がある部分での維持を期待して、施術する方法で抜歯即時埋入(抜歯早期埋入)と呼びます。抜歯と同時もしくは1ヶ月以内に施術しますが、難易度が高く、一定の条件が整わないと成功させるのが難しい方法です。

➂インプラント埋入手術と治癒期間(約3~6ヵ月)

インプラントを顎骨に埋入した後、骨とインプラントが結合するための治癒期間が必要です。この期間は患者さんの骨の質によって異なりますが、一般的には3~6ヵ月程度です。

➃二次手術

歯ぐきで覆ってあるインプラント体を歯ぐきの上に露出させるため、歯ぐきを切開します。インプラント体とアバットメント(連結部)と呼ばれる部品を装着します。

➄型取り

アバットメントに型取りをするための装置(スキャンボディ)を装着し、口腔内スキャナーと呼ばれる機械で型取りをします。

➅仮歯の装着

仮歯を装着し、実際に患者さんに食事などの日常生活で使用してもらい、使用感を試してもらいます。その後、歯の最終形態を決めていきます。

➆上部構造(被せ物)の装着(約1~6ヶ月)

骨とインプラントが安定した後、被せ物を装着します。この工程では、周囲の歯と調和させるために、被せ物の色や形を調整します。

➇メインテナンス(継続的)

治療が完了した後も、定期的なメインテナンスが必要です。インプラントを長持ちさせるためには、口腔内の清潔を保ち、歯科医師の指導を守ることが重要です。

このように、治療期間は個人差がありますが、トータルで6ヵ月から1年程度かかることが一般的です。
骨を補う治療が必要な場合は、さらに治療期間が長くなる可能性があります。
 

3. 前歯のインプラント治療のメリットと注意点

前歯のインプラント治療には多くのメリットがありますが、一方で注意すべきポイントもあります。それぞれを以下に詳しく解説します。

メリット

➀自然な見た目と噛む機能の回復

インプラントは天然歯に近い見た目を再現でき、噛む力も十分に回復します。
特に前歯の場合、美しい見た目が大きなメリットです。

➁周囲の歯への負担が少ない

ブリッジ治療と異なり、隣接する健康な歯を削る必要がありません。
インプラントは単体で機能するため、他の歯に負担をかけることがないこともメリットといえるでしょう。

➂長期的な耐久性

適切なケアを行えば、インプラントは非常に長持ちします。
特に前歯は直接的な噛み合わせの力が軽減される場合が多く、耐久性が期待できます。

注意点

➀審美性を回復するには高い技術が必要

前歯は目に見える部分のため、形や色が不自然になると違和感が生じます。歯科医師と相談しながら、綿密な治療計画をたてることが重要です。前歯の歯茎と骨が薄いため、もともと隣の歯との歯ぐきのラインに差がある場合、インプラントの歯茎のラインと合わせることが難しいと言われています。必要に応じて別途手術が必要になることがあります。

➁抜歯からインプラントが入るまでの審美性の維持が困難

通常は仮歯を入れますが、仮歯では見た目の維持が困難となることもあります。また仮歯の期間が比較的長くなることが多いのですが、仮歯は脱離のリスクがあるため、その場合は審美性が著しく損なわれる可能性があります。

➂定期的なメインテナンスが必要

インプラントは天然歯と同様に、定期検診や歯のクリーニングが必要です。これを怠ると、インプラント周囲の歯ぐきや骨がダメージを受けるリスクがあり、一度歯ぐきや骨が損なわれると回復するのが困難となる場合があります。

➃費用と治療期間

インプラントは保険が適用されないため保険治療と比較して高額な費用がかかる治療であり、また治療が完了するまでに数ヵ月以上の治療期間が必要です。
この点を考慮して治療を検討する必要があります。

4. 新潟市南区の歯医者 大通り歯科のインプラント治療

新潟市南区の歯医者 大通り歯科はインプラント治療を通じて、患者さんの笑顔と健康を生涯にわたって守るお手伝いをさせていただきます。「一度入れたインプラントが生涯機能し続けるように」というコンセプトのもと、患者さんが安心してインプラント治療を受けられる環境づくりに努めています。

インプラント治療は「入れて終わり」ではありません。
大通り歯科では、患者さんがインプラントを長く快適に使用できるよう、日常のセルフケアのアドバイスや定期的なメインテナンスを行っています。

また、インプラントを維持するだけでなく、口腔内全体の健康を保つお手伝いも大切にしています。
入れ歯でうまく噛めずに諦めていた方も、インプラントで再びおいしく食事を楽しむ喜びを取り戻していただけるようサポートします。

入れ歯やブリッジ、インプラント治療で迷われている方、インプラントの不具合でお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

 
 
インプラント治療における仮歯は、治療期間中の審美性、発音などにおいて非常に重要な役割を果たします。仮歯の役割や注意点を理解し、正しくケアをすることで、インプラント治療がスムーズに進むでしょう。

新潟市南区の歯医者 大通り歯科では、インプラント治療の進行に合わせて仮歯を行い、日々のケアについてもサポートを行っております。新潟市でインプラント治療、仮歯についての不安や疑問がある方は、お気軽にご相談ください。
 
 

監修:大通り歯科
院長 渡部 平馬
略歴
平成21年3月新潟大学歯学部 卒業
平成22年3月新潟大学医歯学総合病院臨床研修 修了
平成22年4月新潟県上越市きたしろ歯科診療所 勤務
平成26年3月新潟大学医歯学総合研究科博士課程 修了
平成26年3月新潟大学医歯学総合研究科博士課程 修了
平成27年大通り歯科 開院
平成28年T&Eインプラントコース 修了
平成29年Dr.弘岡 歯周病学コース 修了
平成30年YDO 歯内療法学コース 修了
令和2年PHIJ ベーシックコース 修了
令和3年筒井塾 咬合療法コース 修了
令和4年筒井塾 矯正ベーシックコース 修了
令和5年Myobrace system 導入
姿勢マスター講座 修了
令和6年DABSベーシックコース 修了
DABS小児矯正コース 修了

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